ENGLISH

 故・安倍晋太郎未亡人の安倍洋子さんが会長を務める書道サークル「雍容苑」は、博報堂代表・近藤道生氏が名づけ親です。「晋書」の中の「芸文に雍容す」から採られたもので、文芸にゆったりと身をまかせる有様を意味します。この「雍容苑」が、今回、書作展のテーマとして選んだのが『源氏物語』です。平成の貴婦人達が描いた書から伝わってくる王朝文学の気品、書と関連した『源氏物語』の各帖の紹介と合わせて、みなさんもゆったりと源氏の世界に身をまかせてみてください。

 

 

 
女流書家の第一人者ハーバード大学客員教授も務める
 今回、『源氏物語』を題材にしましたのは、昨年渡辺淳一先生をこの「雍容苑」の 会にお招きしたときに、『源氏に愛された女たち』のご本をいただきましたことが、 『源氏物語』を改めて勉強し直そうと思いました直接のきっかけです。それから瀬戸 内寂聴さんの新訳も読みましたが、いざ、書にしてみようと思いましたら、やはり現 代語よりも古文、変体仮名で書くのが書きやすかったんですね。また、見た目も美し いんです。王朝継ぎ紙を参考にしながら、平成にあらたな継ぎ紙歌集を作るような気 持ちで皆さん取り組まれました。
 ただ、仮名ばかりだと会場の雰囲気が弱くなりますので、漢字をところどころに配 置して、メリハリをつけるように構成いたしました。漢字は『源氏物語』の帖名もあ りますし、「麗」や「髪」、「光」など『源氏』からイメージする文字などを書いて いただきました。変体仮名ばかりだとやはり今の方は読むのも疲れてくると思います ので、見慣れた漢字を配置したのは成功だったと思います。墨も松煙墨と濃墨を字に よって使い分けていますが、演出効果になったと思います。
 また、表装してひとつの作品が完成しますので、皆さん作品の内容にあわせて紙や 布を選ばれ、それぞれとても素敵な作品に仕上げられたと思います。
 

 

 
矢萩さんの
お弟子さん

 京の街は、私にとって学生時代を過ごした懐かしい街、身内の住む街、今は父母の 眠る街となりました。若い頃は、余りにも身近なせいでしょうか、建物や四季の折々 の風景美にばかり目が向いて居りましたが、近頃は(とりわけ今回、矢萩先生から源氏 物語をテーマに頂いてから特に)、街を歩く度に、遠い昔の人々の息遣いを空想するよ うになりました。姫君達が伊勢に赴かれる前に暫し逗留される野々宮の辺りは、今も 美しい竹林に囲まれてひっそりと残っています。どんなに街並みが変化しても、東山 から北山、西山へと三方の山並みは、変わりない加茂の流れと共に今も洛中に住む 人々を見ていることでしょう。
 大河のような雄大な小説の中から、私が敢えて選び出したのは、源氏のほんの若い 頃に関する情景で、私自身、現実には一人の息子を持つ母として、源氏がいとおしく てたまらなく思い、それらの詩歌や言葉を書かせて頂きました。  小説源氏物語のテーマ「輪廻」は今も続くテーマです。

Copyright(C) 2000-2010
源氏大学.com All rights reserved.
GENJ-
本サイトはコンテンツワークス株式会社が提供するBookParkサービスにより運営されています。コンテンツワークス株式会社のプライバシーポリシー